全力疾走と午前4時

進行性の神経難病になり8年目くらいだったはず。先祖の戸籍を取ったり、気になる土地の歴史を調べています。

読書『生きがいについて』神谷美恵子

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先日NHKのアナウンサーが医学部進学のため、急に退職されましたよね。

そのきっかけになったのが、ご自身が出演されていた『100分で名著』で取り上げられた本『生きがいについて』。

この本の放送は今年の5月、NHKを辞めたのが9月。

私と同学年のこのアナウンサーが、こんなに短い時間で人生の方向性を思いっきり変えてしまう。

こんなことを決断させてしまうこの本って、どんなことが書いてあるんだろう?

猛烈に興味を持ってポチってしまいました。




この病気になった時に思ったこととして、命に係わらない病気がなんだか人間の苦悩から仲間外れにされているような感じがあります。

『生きるか死ぬか』とか、『治す』とかそんなことが書かれた本をよく目にしては、また仲間外れかよーと。

でもこの本は、治らない病気を抱えて生きていく人達のことが書かれています。

ハンセン病の患者さん達です。




最近ネットで広がっている言葉で『死ぬこと以外はかすり傷』というものがあります。

多くの人にとっては、きっとその通り!なんだと思います。

けれど治らない病気を抱えて働くこともできず、ある意味全身後遺症みたいな状態で生きていく、そんな人にとっては、死ぬこと以外がかすり傷とは思えないのです。

こういった感じで、自分たちの苦悩というのは世間一般のそれとはややズレてるなと、疎外感みたいなものを私は持っていたわけです。

多分同じように思っている難病患者は多いだろうなと思います。




実際この本を手に取り目次を読んでみると、いきなり『難病』の文字を発見!

生きがいをうばい去るものという箇所の中に、『難病にかかること』というものが。

この後に『愛する者に死なれること』や『死と直面すること』と続きます。

人の死に係わることと同じところに難病が出てくるなんて。

難病の苦しさを初めて世間から認めてもらったような気がして、こんな言い方はおかしいかもしれないんですが、とっても嬉しかった。




その後に、少しずつ読み始めてみると今の自分にとても合った内容だと分かりました。

きっとこの病気の診断直後に読んでも、あまり意味がなかったかもしれません。

たった3年でも(正確には2年10ヵ月)のた打ち回るような時間を過ごした方が、この本に出会えたことを喜べるなと。

ちょっとおかしな感想に聞こえるかもしれませんが、出会えて嬉しい!読めて嬉しい!そんな本です。

まだ少ししか読んでませんが、こうした方がいいとかこう考えるべきみたいなことは書いてないと思います。

多分出てこないと思うな。

心をどう保っていいか分からないという難病患者の方に読んでもらえたらなと思う本です。

そう、あなたよあなた!

名前出そうかと思ったけど、やめておこう。



by カエレバ