全力疾走と午前4時

進行性の神経難病になり8年目くらいだったはず。先祖の戸籍を取ったり、気になる土地の歴史を調べています。

難病患者の心の闇、こんなこと考える自分が嫌だ

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今日の昼間に更新して、すぐに非公開にした記事があります。
少し配慮に欠ける内容だと思ったからです。
でも、その後読んだ本に書いてあったことにとても納得したので、もう一度公開にします。
読んだ本はこれ


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この中にこんなことが書いてありました。


妬みは思ってはいけないのではなく、思ったらすぐ手放せばいいのです。
湧きあがる感情は一旦受け入れてから、自然のうちに手放していけばいいのです。

なるほど、このブラックな感情を一旦受け入れてから手放す。
そうして楽になろうと思います。
他の脊髄小脳変性症の患者さんがどう思うかはわかりません。
これは発症4か月目の私の正直な思いです。
よかったら読んでください。





ここからです
          ↓



私が一番大変だ。
そういう勘違いを、しょっちゅうしています。
誰の人生でも、いろんなことが起こります。
どうしていいか分からない、途方に暮れることもあります。
最近の私はそんな人を見るたびに、「まだマシじゃんか」と思ってしまうのです。


例えばガンの闘病中の人。
私がこんな難病だと知って、自分の持病の話をしてくる人とかいますけど、ほとんど心も動かないしノーダメージです。
でも「私もガンなの」とこっそりカミングアウトしてくる人もいます。
これにはいろんな感情が湧いてきます。


まず第一に、経験したことがないのでよくわかりませんが、それなりに精神的にキツイ病気だろうということ。
まさに生きるか死ぬか、そんな病気だと思います。
なにしろ経験がないので、違っていたら本当にすみません。


そして痛みを伴う病気らしいということ。
これもどの段階でどんな痛みなのか、私には分かりません。


次にお金の事。
随分高額な医療費が掛かるものなんだろうと思います。
実際、私の父がガンです。
手術できない状態のものだったらしく、薬を飲んでいるそうです。
その薬代が月に6万円強だと聞いています。
高額ですよね。
毎月の事となると、大変です。


私の薬代は月に2万4千円程度なので、マシと言えばマシです。
そんな父に言われて、引っかかっているのはこんな言葉。


「お前たちはいいよな、現役だから。」



まあそうだけどね、お父さん。
私はこれから体が動かなくなっていくのよ。
来週も働けているかどうか、見当もつかない体なんだよ。


ええ、勿論私の体が動かなくなることを「いいな」と言ったわけではないと思います。
(きちんと理解していない可能性はありますが)

体が動かなくなっていくことは分かっていないかもなあ。
多分歩きづらくなるだけの病気だと思ってるのかも。


話しがどこかへ行ってしまいそうなので、戻しますがガンの人が大変そうな理由ですけども。
これはガンに限った事じゃないけれど、発病した時の家族の状況。
これ次第で、本当に辛いものになると思います。


自分の父じゃないけど、もう子育ても終わって定年した後の人はいいです、この恐怖はないでしょうから。
その時結婚しているか、子どもはいるか、子どもの年齢は、これが一番の大変さじゃないかと思います。
子どもがまだ小さければ、先が長~く感じます。
とにかく不安でしょう。


子どもが小学生くらいならそれなりの、教育費がかかってくる年頃の子どもがいればそれはそれは恐怖です。
我が家がまさにそれです。



長々と書いてしまったけれど、今書いた程度のことは私でも思いつきます。
ガンって大変だと思います。
ただ一点においてだけ、ガン患者さんを羨ましいと思ってしまうのです。
これは今、大変な恐怖の中で闘病している方に申し訳ないことだと思いますが。
それは「希望がある」この一点だけです。
羨ましい・・・


「希望なんてね~よ!」と総攻撃を食らいそうですが、この部分においてだけ羨ましいと思ってしまう自分がいます。


勿論、ガンが見つかった時点で手の施しようがなく、なんの治療もできないと言われる方もいるでしょう。
でもまた、治療方法がある方もたくさんいるのだと思います。
全く治療方法もなく、ただただ体の機能が失われていくだけの私から見ると「闘病」できることが羨ましく思ってしまうのです。


なんでガンに対してだけこんなことを書くのか思うのかと言うと、私の病気を知って「私もガンなの、一緒に頑張ろうね」と言われることが何度かあったからです。
なんというか複雑なのです。
私は頑張りようがないんだけどな・・・とか、あなたは治療してるんでしょとかとか。
なんだかブラックな感情が出てきてしまいます。


そして私と違うのは、病気に勝か負けるかがとてもハッキリしているところ。
ここは本当に残酷なことだと思います。
私は体が動かなくなっても、喋れなくなっても、目が見えなくなっても生き続けることができます、恐らくね。
それが命が途中でぶった切られることの残酷さ、これは病気になった今、とても重い事実だと感じています。


何が言いたいのか、自分でも分からなくなってしまったけど、多分こういうこと。


何人かのガン闘病中の人に、私達病気だけど頑張ろうねと言われた。
でも治療法があるという一点だけに引っかかり、素直にそうだねと思えない。
加えてあなたはいいよねと思ってしまう。
こんな自分の考え方が嫌だ。
こんなブラックな感情が出てきてしまうから、そういうことは言わないで。


こんなところです。
そう思ってたところへ、昨日も言われた。


「私もガンなんだ。お互い頑張ろうね」

心の中に黒い絵の具を落とされた感じです。
いろんな感情でぐちゃぐちゃになる。
嫌な自分に会うのが嫌。
お願いだから心をかき乱さないで。
ブラックな私は嫌なの。
早く強い私になりたい。